State of JS 2025を読んだら、もうフレームワーク戦争の話じゃなかった
State of JS 2025が出てたので読んでみた
毎年恒例の State of JavaScript の2025年版が公開されました。
JavaScript開発者の動向を調査するアンケートで、フレームワークやビルドツール、テストツールの人気度や満足度を毎年追いかけてくれるやつですね。フロントエンドエンジニアとしてはとりあえず目を通しておきたい定点観測レポートです。
で、今回読んでみたんですが、ここ数年とは明らかに空気感が違いました。
一言でまとめると、「もうフレームワーク戦争の話じゃなくなってる」んですよね。
フレームワーク戦争、終結のお知らせ
State of JS 2025の冒頭にこんな一文がありまして。
After a decade of rapid iteration, the JavaScript ecosystem has stabilized over the last few years.
(10年間の急速な変化を経て、JavaScriptエコシステムはここ数年で安定期に入った)
「安定期」ですよ。あの、毎年のように新しいフレームワークが生まれては消えていたJavaScript界隈が。ちょっと感慨深いですね。
実際、フレームワーク単体の競争はだいぶ落ち着いていて、今の主戦場はメタフレームワークに移っています。Next.js vs Astro みたいな構図ですね。フレームワークそのものよりも、その上に乗るメタフレームワーク同士の勝負になってきている。
Svelte 5がDXランキング首位に
個人的に「おっ」と思ったのが、Svelte 5が開発者体験(DX)ランキングで首位を獲得したこと。新しく導入された「Runes」というシグナルベースのリアクティビティシステムが好評のようです。
Reactの useEffect と依存配列(dependency array)にコミュニティが疲弊して、よりきめ細かいリアクティビティを求める流れが反映された結果、とのこと。useEffect の依存配列、たしかにあれはみんな一度は「なんでこれ無限ループするの……」ってなるやつですからね。気持ちはわかる。
ちなみにワイのSvelte経験はというと、昔 Inertia.js をキャッチアップしたときに少しだけ触った程度です。Inertia.js は React や Vue でも使えるとわかった瞬間に「じゃあそっちで……」と乗り換えてしまったので、本当にかすった程度。Runes の評判がここまで良いなら、どこかで改めて触ってみたいところですね。
ビルドツール・テストの地殻変動
フレームワーク自体は安定した一方で、ワークフロー周り(ビルドツール、テストツール)は劇的に動いているというのが今回の大きなテーマでした。
Viteがwebpackを逆転
ついに来たという感じですが、Viteのダウンロード数がwebpackを逆転しました。Nuxt3 を使っていると Vite はデフォルトで入ってくるので、もはや「Viteを選ぶ」という意思決定すら発生しないレベルですよね。それくらい自然にエコシステムに溶け込んでいる。
VitestとPlaywrightが急成長
VitestとPlaywrightの利用率がそれぞれ前年比14ポイント増加。これはかなり大きい数字です。Jestからの移行が加速しているのが数字で裏付けられた形ですね。
自分も Vitest を使っています。ただ正直なところ、Nuxt との相性はそこまで良いとは感じていなくて。特にオートインポート機能周りで「うーん……」となることがちょいちょいあるので、代替案を模索中だったりします。とはいえ業界全体の流れとしては Vitest + Playwright の組み合わせが標準になりつつあるので、この方向で付き合っていくのが現実的なんだろうなと。
HonoとBunがS-tier入り
HonoとBunが満足度90%超のS-tierに新たにランクイン。軽量・高速なアプローチが開発者に支持されている流れですね。Hono は Edge Runtime との相性が良いので、Cloudflare Workers とか Vercel Edge Functions あたりで使うと気持ちいいやつ。
「React vs Vue」から「Human vs Agent」へ
で、今回の State of JS 2025 で一番インパクトがあったのがこれです。
For the first time, the biggest story isn't "React vs. Vue." It's "Human vs. Agent."
(初めて、最大のストーリーが「React vs Vue」ではなく「Human vs Agent」になった)
AIによるコード生成の比率が、前年の20%から29%に増加した。まだ過半数には達していないけど、急速にバランスが傾いている、と。
……29%?
正直な話、自分の体感だと8割くらいAIに依存している気がします。Claude Code でコードを書いてもらって、レビューして、修正して、という流れが完全に日常になっている。29%はだいぶ控えめに感じるけど、まぁこれはグローバルの平均値ですからね。AI をガッツリ使っている層とほとんど使っていない層の差が大きいんだと思います。
AIとの協業で感じている「コンテキスト問題」
AIにコードを書いてもらう生活を続けていて、一つ厄介だなと感じていることがあります。
AIが書いたコードに間違いがあったとき、自分の手で直すとAIがその修正に気付かないんですよね。修正の意図も汲み取れないので、次のターンでまた同じ不具合を再現してくる。「いや、さっきそこ直したんだけど……」ってなるやつです。
なので最近は、たとえ1行の軽微な修正であってもAIに修正させるようにしています。自分で直したほうが早い場面でも、あえてAIにやらせる。そうしないとコンテキストに記録されないので、同じミスを延々と繰り返す羽目になる。
このワークフロー、たぶん同じことを感じている人は結構いるんじゃないかなと。AIと協業する上での「お作法」みたいなものが、まだ確立されていない感じがしますね。
コードを書くだけのエンジニアは生き残れるのか
State of JS 2025 を一通り読んで、一番強く感じたのは「人間がコードを書く」という文化やワークフローが、確実に変わりつつあるということでした。
AIコード生成が29%。自分みたいに8割依存している人間もいる。この流れは止まらないと思います。
だからこそ、コードを書くことだけが武器のエンジニアは厳しくなるだろうなと感じています。AIが書ける部分はどんどんAIに任せられるようになる。じゃあ人間は何をするのか。設計、要件定義、レビュー、AIへの的確な指示出し、そしてAIがまだ苦手な領域の判断。そういうところに価値がシフトしていくんだろうなと。
とはいえ、コードを書く力が不要になるわけではないと思っています。AIの出力をレビューするにも、コードの良し悪しを判断する力は必要ですからね。ただ、それだけでは足りない時代になりつつある。
AIと上手く付き合いつつ、State of JS みたいな定点観測で先端技術のキャッチアップを続けていく。地味だけど、これが一番大事なことなんだろうなと、改めて感じたのでした。